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王のワイン、ワインの王、トカイ・エッセンシア(2)!

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王のワイン、ワインの王、トカイ・エッセンシア!

さて、トカイ・ワイン規格の更新によって生まれ、一般的に知られた貴腐ワインに、トカイ・アスー・エッセンシア (Tokaji Aszu Eszencia) がある。

貴腐化したブドウは、しだいにしぼんでいくが、これは萎縮効果といわれ、これもブドウ・ジュースの濃縮をうながす。この状態なってからようやく、ボトリティス・シネレアのついたブドウの採果が、10月末から12月ころまで、一粒ずつ選別され、手摘みでおこわれる。

貴腐ブドウだけを大きな容器に入れておくと、重力の関係から、ブドウ同士が押し合い、ネクター状のとろりとした黄金の液体が染み出てくる。このブドウ・ジュースをアスーという。「萎んだ、甘い」という意味。

その後、ボトリティス・シネレア菌のつかなかったブドウからつくった辛口ベースのワインをつくる。このベースワインにアスーを加えて、二次発酵させると、トカイ・ワインができる。

そんなわけで、トカイ・アスーはアルコール発酵を終えたワインや、アルコール発酵途中のワインジュース、ブドウをプレスしてえたブドウ・ジュースに貴腐ブドウをつけ込んでつくらているのだ。トカイの伝統にのっとれば、アスーは1年間寝かせて、翌年のベースワインに加えるのが最も良いとされる。

それまでは136リットルの樽のなかに、プットニというトカイの伝統的なブドウの背負いかごで、何杯分の貴腐ブドウ(1かごは、約25kg。そのかごは統一規格ではなく、21から27kgと幅がある)が含まれているか、という規格であった。が、規格更新後、リッターあたり何グラムの糖分が含まれているかによって、3~6プットニョス(puttonyos) のランクづけをおこなうことになった。

あたり年には、6プットニョシュ以上の糖分を含む貴腐ワインができるために、スーパー・6プットニョスとして「アスー・エッセンシア」という新しいランクづけが生まれた。

24~48時間以内に、特製の小さなオーク樽に入れられ、2km以上も続くトンネルのようなセラーで、熟成期間が3年、瓶熟成が2年以上の合計5年の熟成期間を経て、市場にまわされている。

もちろん、高品質、高価格である。現在の規格では、貴腐ブドウの使用量ではなく、出来上がったアスーワインの糖分含有量によって3~6プットニョス、およびアスー・エッセンシアの5階級に分類される。

アスーが、貴腐ブドウと貴腐化していないブドウを、それぞれ別々に一次発酵させてからブレンドしてつくられるのに対して、貴腐ブドウとそうでないブドウとを選別しないでそのままつくったワインが、トカイ・サモロドニ (Tokaji Szamorodni)である。甘口と、辛口がある。それはまた、発酵を人工的に止めることはせず、酵母が自ら活動を止めるまで任せておくという、より伝統的な醸造法を取ることも特徴でもある。

醸造技術ではなく、その年の自然環境に大きく影響されるため、アスー以上にヴィンテージに意義のあるワインである。現在はアスーの影に隠れてしまったが、歴史的に「トカイ・ワイン」の名を広めたのはこのサモロドニのことであったともいわれる。あたり年のスイートの場合、3プットニョシュ以上の糖分を含むことも稀ではない。

ドライの場合はというと、貴腐ワイン独特の香りをもつフルーティな辛口ワインとなり、シェリーの産膜酵母のようなものができているのを確認することもできる。

「トカイ・ワイン」は、トカイ・貴腐ワインとほぼ同義語につかわれる名称であるが、トカイ地区では、それ以外に辛口白ワインとしてのフルミントや、その他に、ハールシュレヴェルー、イエローマスカットなど3種をブレンドしてがつかわれるが、単一種によるワインもある。

現在、そのトカイでは寒冷地に適したリースリングやピノを中心に、赤、白、ともにさまざまなワインがつくられている。それと、貴腐ワインや、アイスワインの瓶は、一般的なワインのものよりも小さめで500mlが標準サイズである。



デザートワインだと思われがちだが、決してそうではない。たしかに、それだけで十分デザートになるが、ソーテルヌより口当たりが、さわやかでベタつかず、クリーンだ。ナイト・キャップとして楽しんでもいい。

料理などの相性なんぞ気にせずに、アペリティフからデザートまで合わせることができる。和食との相性も良く、かなり日本の食生活にとけこむはずだ。お正月のお節料理、黒豆、栗きんとん、伊達巻などと一緒にトカイ・ワインを飲むと、とても気分が華やいで楽しいものだ。また、比較的高価で、華があるので、記念日や、お祝い事のプレゼントにもいい。

ティラミス、タマゴが多く入ったパウンド・ケーキ、ナッツの入ったお菓子、酸味と、甘みのあるリンゴのお菓子、アイスクリームなどと合わせると、甘いもの好きにはたまらないだろう。

♪ リストの代表作の一つに「ハンガリー狂詩曲」がある。そのヨーロッパ社交界のモテモテ男だったかれは、
「わたしはハンガリー人だ」
と、常々公言していた。というのも、ハンガリー生まれではあるが、天才ピアニストだった子供のころウィーンに移住。外国で教育を受け、演奏旅行でかけまわり、大活躍をしていたからだ。そんなかれがヴィルトゥオーソとして凱旋したとき、幼少のころから聞きなれていたジプシー音楽にあらためて大きな感動をえた。

まずは、ピアノ・ソロとして、15曲。後年、4曲追加され19曲となった。そのうち、6曲をかれ自身が、管弦楽に編曲。民族色豊かな第4[2]番は、人気曲。♪

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