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アート・ボトルの傑作、「ベル・エポック」!

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アート・ボトルの傑作、「ベル・エポック」!

「ペリエ・ジュエ ベル・エポック」の白いアネモネの花のボトルは、1902年に誕生。3代目アンリ・ガリスが、アール・ヌーヴォーの巨匠エミール・ガレに、ボトルデザインを依頼したもの。ちなみに、アネモネの花言葉は、「儚い恋」。

しかしながら、デザインは完了したものの、ガレはベル・エポックのボトルに描いたものを見ることなく1904年にこの世を去った。ただ、ボトルになったのも、半世紀以上経った1969年のことだった。

その後、第一次世界大戦の混乱の中、長い眠りについていたそのボトルは、1964年、当時のセラーマスターであるアンドレ・パブレによって発見。シャルドネを主体としたプレステージキュベ・「ベル・エポック」として復活を遂げた。

その第一次世界大戦の影響もあってか、装飾性がつよく、大量生産に向かないアール・ヌーヴォーがデザイン界で後退し、アール・デコが台頭。が、それも飽きられて、アール・ヌーヴォーがふたたび評価されたのも一因だった。

モナコ公妃グレース・ケリーが、メゾンを象徴するアネモネで飾られたボトルを、お気に入りのシャンパーニュだと公言して以来、「ペリエ・ジュエ ベル・エポック」は長年にわたりモナコの社交界パーティ「ローズ・ボール」になくてはならない存在となっている。



ペリエ・ジュエは、シャンパーニュ業界では無名の夫婦の手によって1811年、その歴史がスタートした。その夫婦の名前は、ピエール・ニコラ・ペリエ、そしてローズ・アデル・ジュエの二人だ

エペルネで1811年に創業したメゾンだが、ワインづくりそのものは1700年代からおこなっていた。丁寧につくられた芸術的なシャンパーニュは、たちまち評判になった。

業界で確固たる地位を築くために、2人が着目したポイントが「品質」。確かにシャンパーニュは世に輩出されていたが、品質を見ていくと、お世辞にも良いとは言い辛い商品も出ていたのだ。

そこで2人は、ほかの商品と差別化をはかるため、創業当時から、現在も変わらない独自の品質基準を設けた。なかでも着目したポイントが、ブドウの品質。ペリエ・ジュエでは、厳正な品質管理を率先して取り入れ、高品質のシャンパーニュを製造した。

品質に対して決して妥協しない姿勢という信念は今も受け継がれ、すばらしい出来映えのヴィンテージ・シャンパーニュは、その熟成を静寂なセラーに委ねられる。この熟成により、各ヴィンテージに独自の個性を持ち、どれもペリエ ジュエのブドウ畑がもつ素晴らしい個性が引き立つシャンパーニュに生まれ変わるのだ。

2代目シャルル・ペリエの時代には、ブリュットや、ヴィンテージ・シャンパーニュを発売するなど、他社に先駆けたチャレンジをおこない、その人気は不動のものになった。 

ひとつは、「ブリュット」スタイル。1846年に他社に先駆けて「ブリュット」をリリース。シャンパーニュは甘味調整をしてから出荷されるのだが、昔はとても多くの糖分が加えられてデザートワインとして飲まれていた。ところが、次第に辛口タイプへの需要が増え、現在のようなブリュット=辛口スタイルが主流となった。

イギリス市場からの要望で、ブルゴーニュやボルドーの前に飲む、酸がフレッシュな食前酒が求められた。

ただ、その後も英国スタイルの辛口と、北欧などの国が好む甘口スタイルは平行してつくり続けられた。つまりシャンパーニュは長い間、食前と、食後を担当していたわけだ。

もうひとつは、「ミレジメ」スタイル。製造年数がわかるように、ボトルへ製造年数を記載した。こちらもイギリス向けで、1858年にどのメゾンより早く、はじめてペリエ・ジュエからブドウを収穫した年をラベルと、ボトルネックに記したものがリリースされた。

じつはこの作業、ペリエ・ジュエがはじめておこなったことだ。また、製造から販売まで、無駄をなくし高品質のまま市場に出せるよう流通経路の改革をもおこなった。

とはいえ、シャンパーニュ地方の厳しい気候のもとでは毎年「ミレジメ」がつくれないから、できが良く条件が整った年だけの特別な存在となった。世界最古のヴィンテージ・シャンパーニュ「ペリエ・ジュエ 1825年」は、「エデン」、つまりこのセラーの心臓部に大切に保管されている。ペリエ・ジュエの完璧な品質に対するこだわりは妥協を許さず、過去に5回、ブドウの不作を理由にその年の出荷を断念したこともあるほど。

白い花と桃や梨などの白系フルーツのアロマに続き、ハチミツ、最後に若干ブリオッシュの香り ピノ・ノワールがワインに骨格を与えながらも、シャルドネの軽やかで繊細な味わいが特徴的。余韻の長いワイン。

現在の所有畑は約65ha。うち40haがシャルドネで、ペリエ・ジュエはこの品種のフローラルなエレガンスにシャンパーニュの本質を求めることを哲学としている。仕込みには300本ものタンクを使用し、品種・区画だけでなく収穫時期によってもキュヴェを分け、ブレンドに多様性をもたらす。

畑の大部分はグラン・クリュ格付のクラマン村、アヴィーズ村、シュイイ村に所有、その中でもクリーミーなニュアンスを持つクラマンを最重要視するスタイル。ペリエ ジュエが所有する自社畑の中でも最も広い面積を占めるのが、シャルドネの聖地とされるコート・デ・ブラン地区のクラマン村。ここに3区画27ヘクタールを所有している。コート・デ・ブランのシャルドネがもつすべての要素を併せ持つ、パーフェクトなシャルドネを生むといわれる。「豊かな白い花の香りとフィネス」が生み出され、しかも南南東向きの畑という条件のよさから「力強さも豊かさも」得られる。

ピノ・ノワールはヴェルズネイ、ヴェルジー、アイに畑を所有し、香り要素のためのブドウと、位置づける。また、過度の完熟を避け、酸が十分に保持された状態であることを大切にしている。

加えて、ほんの少量ブレンドされている品種ピノ・ムニエ。シャルドネの個性を損なわないようにピノ・ムニエをアッサンブラージュするのが、技の見せ所のひとつのようだ。

秀逸なピノ・ムニエ産地とされるディジー村に10ヘクタールの自社畑を所有。最良のピノ・ムニエをもっているのは、エペルネの古いメゾンにとっては誇りでもある。これがシャルドネとピノ・ノワール2品種 の架け橋となり、早くハーモニーを奏でさせてくれて、穏やかさ、まろやかさと共に生き生きとした表情を創り上げてくれる。

「ペリエ・ジュエ ベル・エポック ブラン」。こちらのシャンパーニュは、独特な癖や好き嫌いを選ぶ特徴的な味わいや後味のスタンダードなタイプ。色合いは透明感の中に、仄かに映るライト・ゴールド。香りは洋ナシや桃、そしてシトラス系の爽やかな香りが楽しませる。飲み口、味わいともに癖がなく、スッキリとした味わいと爽やかな後味。

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