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エスプレッソ、イタリア人が大切にしているものは、いつもバールにある。

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エスプレッソ、イタリア人が大切にしているものは、いつもバールにある。

バールの朝は、早い。バリスタがいる。自分の好みをバリスタに告げて、エスプレッソを入れてもらう。かれらはその日の気温、湿度、豆の状態などによって、微妙にいれ方を変えながら、最高のエスプレッソを提供している。そもそも、バリスタとは、イタリア語で、「バールの人」という意味。ヨーロッパ・スペシャリティ・コーヒー協会では、3クラスから成る厳しい技能認定を実施。そのため、バリスタでお店を選ぶ人も、多い。

そんなバリスタがこだわるおいしいエスプレッソはというと、
「エスプレッソマシンで、9気圧の圧力と、約90℃の湯温で、20~25秒の短い抽出時間で、約30ml抽出。さらに、豆は7gを使用する」
のが、ベストだそうだ。


さて、そのエスプレッソは、まず深煎りされたコーヒー豆を細挽きにし、金属フィルターに詰めて、均等に、それにしっかりとタンピング。この作業をしっかりしないと、味わいが浅く、逆にやり過ぎると、雑味などが含まれる。

一杯のコーヒーを片手に、馴染みのバリスタと、サッカーなど、とりとめもない話で盛り上がる、そんな時間こそ、イタリア人の楽しみな時間でもある。 かれらのライフスタイルには、バールは欠かせない。目覚めてから、行きつけのバールに立ち寄り、エスプレッソを飲む。それは、かれらの1日のはじまりであり、まさに生活の一部なのだ。朝食は、コルネットと、カプチーノ。もしくはエスプレッソか、エスプレッソにミルクを少し入れたカッフェ・マッキアート。

昼食は、軽くビジネスランチ風にバールで済ますのが、最近の主流。生ハムや、モッツァレッラをはさんだパニーノ。バールによっては、パスタや、リゾット、サラダなど簡単で、手早く食べられる料理を出すところも増えた。そして、食後は、かならずエスプレッソ。

仕事の合間や、ひと休みにも、エスプレッソで気分転換。イタリア人は、1日に何度となくバールを利用する。夕方になると、
「アペリティーボ」
を楽しむ。アペリティーボは、食前酒のこと。ワインや、カンパリなど。夕食までのひと時を、おつまみを食べながら、軽くビールや、ワインを飲んでゆったり過ごす、ラテン的な習慣でもある。

おつまみとしては、ナッツや、スナックなどが定番。だが、最近、18時頃から「ハッピーアワー」と称して、バリエーション豊富なおつまみをならべるバールが増えている。オリーブや、サラミ、プチサイズのパニーノや、ピッツァ、クスクスなどなど。しゃれたオードブル風から、ブッフェ形式の食べ放題まで、軽めの夕食にできるほどのボリューム感がある。現代のニーズに合わせて変化はしても、一杯のコーヒーが生む会話を楽しみ、リラックスするひと時を仲間と分かち合う。

そんなエスプレッソに、砂糖を入れてはじめて、ホントのエスプレッソができあがるともいえる。おいしいコーヒーはブラックで、という人ほど、エスプレッソには、砂糖を入れないものだ。しかし、砂糖を加えることで、エスプレッソの味わいに奥行きがでるのだ。目安としては、スプーン2杯が適量。入れ方は、表面をおおっているクレマを沈めないように入れるのがコツ。

ちなみに、ナポリなどでは、提供時からエスプレッソに砂糖が入っていることもある。それと、エスプレッソ・マシンの最初の蒸気で出たスプーンひとすくいのカフェこそが、とても大切。それをカップに移し、大量の砂糖と、素早く混ぜ合わせる。その濃厚なカフェと、砂糖がカクハンされて、甘いカフェ・エキスのようなものができる。そこに、後から抽出されたエスプレッソを、注ぐわけだ。

まずは、温めたデミタス・カップの表面をおおうクレマ、その泡をチェック。いいクレマは、ヘーゼルナッツ・カラーといわれるライト・ブラウン、状態も、フラット。クレマがうすければ、エスプレッソとしては好ましくない。

それから、ちょいとおしゃれでもあり、ふぞろいのペルーシュ・シュガーをくだき、お好みの量を入れる。か~るくかき混ぜ、味わいの変化を楽しむ。エスプレッソは、風味が飛びやすいため、早めに飲みほす。ちょいと貧乏くさいが、カップの底に溶けきれずに残った砂糖を、スプーンですくって食べてみると、ちょっとしたキャラメル状になっていて、甘苦く、なかなか美味しいものだ。これ、ホント!

その砂糖が残っているカップに、グラッパを注ぐと、もっとおいしくなる。エスプレッソの香りと、甘味がプラスされて、より一層おいしくなる。それを、一気に飲みほす。グラッパだけだと、アルコールの強さが目立つ。しかしながら、エスプレッソの香りがついたペルーシュが、グラッパとからむことにより、アルコールの角がとれ、深いコクのあるグラッパのメリットを引き立たせるのだ。

夏になると、バールで、冷たいエスプレッソが飲める。まず、濃厚エスプレッソを抽出。シェーカーに、砂糖1杯と、氷を入れて、エスプレッソを投入。シャカシャカと振り、エスプレッソを急冷して、泡立てる。これぞ北イタリアの冷たいエスプレッソ。

さあ、エスプレッソを味わってみよう。ブラックのままゆっくり味わってもよし、イタリア式に一気に飲み干してもよし。
こんな具合だ。小さなカップに、スプーン一杯の砂糖を入れて、かき回し、それからのけぞるようにしてほんの二口でコーヒーを飲み干すのだ。

それと、バリスタのレバーを巧みに操る鮮やかな手並み。感動するコーヒーの入れ方を見たかったら、本場にいくしかない。

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