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ず~っと、口のなかで味わっていたい! シャウルス。

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ず~っと、口のなかで味わっていたい! シャウルス。 

☆ Today’s Special ☆

■ Say Cheese!; シャウルス(Chaource)
■ Classical; シベリウス 交響曲第1番ホ短調

バニラ風味の白カビチーズ、シャウルスは、美しすぎる。それに、ホント、おいしいチーズだ。
「真っ白く、降り積もった雪のよう。口どけも、淡雪のように細やか」
である。その名前は、シャンパーニュ、オーブ県のシャウルス村に由来する。町の紋章である2匹の動物、
「シャ(=’猫’)」
と、
「ウルス(=’熊’)」
とが、ラベルに、小さくモチーフされている。

生まれは、ブルゴーニュ地方だ。12世紀ごろまでには、あのシャブリのシャルドネを一躍有名にしたシトー修道会のポンティニー修道院(第2修道院)が、つくりはじめていたらしい。19世紀には、パリに馬車で運ばれ、人気をはくしたといわれる。国王も、絶賛。

第2次世界大戦後に、無殺菌乳を使用した農家の出現で、あっという間に、AOC獲得。そのフェルミエ製・シャウルスは、バター風味を持ち、舌触りはサラッとして、軽い酸味がある。キノコや、ヘーゼルナッツの風味も、ほのかに感じられる。

シャウルスは、白カビの代表・カマンベールや、ブリとは、風味、組織が、まったく異なる。
「同じウシ乳だが、つくり方が違うから、性格も違う。また、食べる時期も、違う。味わいも、塩味、酸味ともに強めだ。風味も、まろやかなキノコのような香りを持つ。脂肪分も、やや高い」
といった具合。

それと、カマンベールや、ブリなどは、芯があると、むろんのこと酸っぱすぎて、おいしくない。それゆえ、白カビチーズは、芯がなくなるまで待って、切り口から流れるくらいのやわらかくなるころが、おいしくなる。ところが、シャウルスはといえば、
「しっかりとした芯」
があって、全体に芯がはっきりあるうちが、食べ頃なのだ。それも、この芯の面積が広くあるのが、いいシャウルス。

芯が残るくらいの時期は、中身と、外皮に近い部分で、口当たりや、風味に違いがある。舌の上で溶けて、なじむ食感は、シャウルス特有の味わい。それと、粉っぽいような、ホクホクとした食感が、持ち味でもある。

うれしいことに、表皮との間の、トロリとかがやく部分からは、まったりとミルクの濃厚なコクが感じられ、部分部分によって、まったく違う表情を楽しめるのだ。

それがまた、熟成がすすむと、表皮には、赤みを帯びた筋がみられる。それにつれて、表面が水っぽく、どろどろしてくるが、中身は濃厚で、クリーミー。どの熟成の段階においても、おいしく食べられる。ただ、あまり熟成させないうちに、どうぞ。それというのも、完熟すると、塩気がグッと強くなるからだ。

それでも、熟成のピークで食すると、さわやかな酸味を残しながらも、ねっとりした組織になる。そしてノアゼットの香り。一段と、シャウルスのおいしさが、実感できる。

シャウルスには、大小2つのサイズがある。内径およそ11cm、高さの制限はないが、通常7cmもある450g以上の大きめのタイプ。小はといえば、内径がおよそ9cm、重量は250g以上で、高さも5~6cm。じつのところ、
「この高さがミソ」
なのだ。それというのも、3~4週間の熟成期間、またそれ以上の7~8週間の完熟期間後でも、白カビの乳タンパク質分離作用による、チーズ表面からの流動化が、芯部にまでおよばない。そのため、フレッシュなまま、芯部が生かたいままのこってしまう。

それでも、白カビタイプのチーズだから、保存している間に、どんどん熟成が進む。中身が、トロトロになってしまう一歩手前の、ホクホクした芯があるくらいの状態がおいしい。そんなこんなで、シャウルスは、中級者向けの、白カビ・チーズかもしれない。

食べる30分ほど前に室温にもどし、カット。表皮と、芯の間の部分の生地が、トロリと柔らかくなり、シャウルスの味わいに広がりが出る。そのとき、切り口を見て、その表皮に近い部分に、大きなすき間が出来ていないかを、チェック。残念ながら、あれば、熟成途中で、温度の変化があったことを示している。

もちろん、高脂肪のウシ乳を、使用。牛は、赤と白のブチ、ピー・ルージュ・ド・レスト種。朝乳と、夕乳をあわせて、夕刻に乳酸菌スターター、育成の適温が20℃~40℃の乳酸酵素、「penicillium candidum」という名前の白カビ菌を、ウシ乳に混ぜる。

その後、レンネットを添加。牛乳凝固に低温、じっくりと14時間以上をかけて、乳酸発酵によるウシ乳の酸味の増加と、レンネットの凝乳作用で、かためのジャンケットを形成させる。酸度の高いチーズが、生まれる所以だ。

翌日、直径2cmほどのカード切片に細分化したうえで、シャスランという型に入れる。そして、塩を振り、板の上で水切り、カビの吹きつけという手順。それも、24時間以上かけて、じっくり脱水、反転を繰り返し、全体に白カビを育成。

その後、型から取り出し、熟成。通常2週間から4週間の熟成。最低15日間は管理をおこなう。でも、カマンベールのようにとろけた組織にはならない。チーズ内部は、酸度が高いので、熟成はせず、カビの繁殖する周辺から、その内部に向かって進む。

残念ながら、最近は、大量生産の殺菌乳の商品が大半で、無殺菌乳が少なくなっている。

クリーミーな味わいと、軽い酸味は、若いころは、スッキリした白ワインや、スパークリングワインと。熟成したものには、ブルゴーニュのフルボディの赤でも。でも、最上のマリアージュはというと、
「同じシャンパーニュ地方でつくられるシャンパン」
と、合わせて食べることだ。予算に余裕があれば、ロゼがすすめ。シャウルスの口溶けと、シャンパンの泡とは、その相性の良さを実感できるはずだ。

合うバゲットは、カンパーニュなど。クルミや、カランツ入りのパンにも。甘みのあるドライフルーツとの相性も良い。食べる時には、干しぶどうなどを添えると、よりおいしい。

シベリウス/交響曲第1番ホ短調

ベルグルンド/ヘルシンキPOで聴く。ロマン派的な第1番を、自国の、それも北欧風の音楽としての思い入れとともに、説得力のあるみずみずしい演奏だ。

第1楽章の冒頭、クラリネットの音が、北欧の深い森のなかから聞こえてくるように、神秘的にはじまる。第2楽章は、北欧のロマンとでもいいたい静寂の調べに、魅惑される。終楽章では、北国の厳しさ、荒々しさを経たうえで、ふたたび息の長い旋律を感動的に歌い上げる。

ヘルシンキ・フィルは、シベリウスの交響曲の1番から6番までを初演した。表現は、自然でやり過ぎたところがなく、音符の一つ一つが、まさにかくあるべし。とにかく、弦も、管も、澄み切ったハーモニーが実に美しい。

30代半ばの若きシベリウスの情熱が、この曲に反映されており、民族的、ロマン的な雰囲気に満ち、繊細にして、ワイルドで、大胆な音楽が展開されている。

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