Wine & Dine! チーズのうんちくも...  ENOTECA楽天市場店

はたまた、ポートワインを一杯 (3)!

wine

ポートワインを一杯! (3)

■ ポートワインふたたび;ポートワインを一杯<3/3>
■ ポートワインのタイプ(3)
■ Classical; ショパン ピアノ協奏曲ホ短調

魅惑的なこの甘口ワインは、イギリス貴族のあいだで、長く、英国紳士のたしなみともいえるほど大変親しまれている。甘く、アルコール度も高く、なによりながい余韻を持つ味わいは、食後にチョコレートや、葉巻と楽しみたいワインである。

1756年の世界初の原産地呼称法によって、厳しい品質により生み出されたポートワインは、大英帝国の栄華とともに、世界中に紹介され、今日の名声をきづいた。現在では、フランス料理での食前酒や、食後酒としても親しまれているのは、ご存じの通り。

さて、そのイギリス人と、ポルトガル・ワインとの関係は、12世紀までさかのぼる。このころ、ポルトガルの漁師たちは、イギリス沿岸近くまで、鱈を採りに出かけていた。そのさいに、英国の羊毛と、ポルトガル産のワインが物々交換されるようになったようだ。
その当時のポルトガル・ワインは、すべて辛口のテーブル・ワインだった。残念ながら、その味わいはといえば、現在のワインよりも荒々しかったために、そのころイギリス領でもあったフランス・ボルドー地方の高級シャトーワインの優雅な味わいと比べて、あまり人気の高いものではなかった。

しかし、英仏百年戦争に敗れ、ボルドーを手放さざるをえなくなり、フランス産ワインの入手が困難になった。ついては、ヨーロッパの大航海時代がはじまり、ポートワインの誕生となる。



イギリスの商人たちは、よりよいワインを求めて、ポルトガルのさらに奥地へと足を踏み入れることになった。その結果、発見されたのが、肥沃な大地で、良質なブドウ栽培に適したアルト・ドウロだったのだ。

しかし、その地でつくられたワインをイギリスまで運ぶには、ワインの腐敗という大きな問題があった。ポルトガルの奥地からイギリスまでは、あまりにも距離があり過ぎたのである。

そこで考えだされたのが、発酵途中のブドウ果汁に少量のブランデーを添加することだった。荒々しい味わいのワインが、とてもなめらかな甘口に変身することが発見されたのである。ブランデーが加えられたそのワインは、イギリスに運ばれると、芳醇な甘味を醸し出しており、貴族たちの人気をあつめ、ポートワイン誕生のきっかけとなった。

そんなおり、1703年にイギリスとポルトガルの間で、メスエン条約が結ばれ、ポートワインの関税が引き下げられた。

こうなると出てくるのが、偽のポートワイン。これを防ぐため、時のポルトガル首相であったマルケス・デ・ポンバル侯爵は1756年、ドウロ生産地域指定の規制を設けた。これが、世界初の原産地呼称法となった。さらにはフランス革命とつづき、イギリス人からフランスワインが遠ざかるなか、ポートワインの輸出はますます盛んになった。

そして、ついには17世紀以降、有名銘柄ポートワインの製造などは、ほとんど英国資本によっておこわれることになった。それは、今においても、歴史ある多くの英国シッパーが、ガイア市のドウロ川沿岸に、その名をつらねていることでもわかる。

たとえば、クライム・コメディ劇であるアガサ・クリスティの戯曲、「蜘蛛の巣」で登場するダウズは、1798年の創設。コックバーン・スミスは、1815年に創設された英国資本の名門。1820年に、スコットランド人のグラハム氏によって創設されたグラハム。テイラーと、ワレも有名。ほかにクロフト、オズボーン、サンデマンなど。

ところで、あとがきのようにもなるが、ポートワインの保存などなどについて、ちょいと。とりあえずは直射日光さえ気をつければ、セラーに入れなくても適当な保管でOK。ポルトガルじゃ、50年物なんかそのあたりの棚に立ててあるだけだ、と聞いてもいる。でも、まだ空けていないポトルも、空けたボトルもできればワインセラーに保管しておくことは、おすすめ。

さて、長い時を経たポートワインを味わうためには、まずはねかせていたボトルを立てて、オリ(澱)をしっかりと落ち着かせること。瓶熟中に、クラスト状になったオリが瓶内で形成されるため、デキャンティングが必要となるからだ。長い間眠っていたコルクもまた、もろくなっていることがとても多く、ソムリエナイフで開けるのはちょっと大変。20~30年ものだったら、普通に開けられ、問題はないとは思う。

ポルトガルでは、パンサ・ア・ポルトというポートワイン専用のペンチ状のものを炎で熱し、瓶の首の部分を、熱で一気に切り落としてしまう開け方をする場合がある。儀式的におこわれることもあるが、これはプロ中のプロでなくては、とても無理。

頑張ってはみたが、それでもコルクが残った場合は、瓶内に落としてしまい、コーヒーペーパーををデキャンタボトルにのっけて、あとはそっとポートワインを注ぎ入れ、ろ過してみよう。もちろん、専用の漉し器つき漏斗じょうごであるファネルなどをつかってもよい。

すべてろ過し終わったら、ちょいともったいないが、そのポートの瓶を、赤ワインでよく洗い、瓶のなかにオリが残ってないようになるまで、ていねいに洗った後、赤ワインをよく切る。その瓶に、デキャンタしたポートワインを戻し、その日の内に飲む場合は、デキャンタのまま飲み、残った場合は、瓶に戻したほうがいい。

常温なのか、すこし冷やすのか、キンキンに冷やすのか、自分が美味しいと思う温度で飲めばいい。 ちなみに、ボクは常温で飲んでいるが、やはりキンキンはやめた方がいい。というのも、冷たいと、甘さが感じられなくなるからだ。

デキャンタージュも終り、瓶に戻したポートワインに栓をするとき、最初からついていたコルクではなく、バッキュバンで、ビンのなかの空気を抜いてしまおう。その空気を抜いたポートワインをセラーに保管。家庭用のセラーの場合、立てておくことは難しいので、瓶の口のあたりに、サランラップなどを巻き、少しでも口の部分が高くなるように台などを置き、セラーのなかで保管のこと。

どのくらい良い状態を保てるかは、モノによっても違うと思うが、なるべく早く飲んだ方がいい。しかし、ヴィンテージ・ポートは、デキャンタした後も、一週間くらいは、セラーに保存して置けば大丈夫だという。ポートワインの価格は、ヴィンテージ・ポートといえど、ほかの有名な長期熟成型の高級ワインよりも、案外と手がとどきやすい。

※ポートワインのタイプ(3)

■リザーブ: 熟成年数の異なるワインをブレンドし、最低7年木樽で熟成させた高品質ポートワイン。

■Colheita(コレイタ 収穫年度表示ポート): 単年度のブドウからつくられ、7年以上の樽熟成の後、ろ過して瓶詰めされた本格タウニ-。収穫年と、瓶詰め年を表示。チョコレート色に近いコハク色。ドライプルーンや、コーヒーのような焙煎香もする。

甘さと奥深い酸が、口の中を長い間支配する。少し苦味もある。 デカンティングをせず、そのまま。 パルミジャーノ、クルミ、チョコレートタルトなどとともに。

■Late Bottled Vintage; ヴィンテージに次ぐ作柄に恵まれた年のブドウを原料に、樽の中で4~6年間熟成させ、オリ(澱)引きまでおこなった収穫年表示の良質なポート。男性的で、大変コクがある。飲み終わった後、長く余韻が口のなかに残る。色は、さらに濃いルビー色。煮詰めたプルーンや、黒コショウ、丁子などが感じられ、深みとボディが加わっている。 チョリソ、パルミジャーノとともに。

■Vintage; 最高品質のルビーポートで、最高のワインが出来た年だけにしかつくらない。最低10年、50年以上もねかせるものもあり、高級品。「コレイタ」よりもさらに濃いコハク色。収穫年が表示されているが、会社の名前と収穫年だけしか表示しない。

深い赤で、甘味も強い。ブラックチェリーやコショウ、生姜といったスパイシーなニュアンス、樽からくるバニラの甘い香り。味わいに、より深みと複雑性が増し、これだけで口のなかで余韻をいつまでも楽しんでいたい。それというのも、2~3年間樽熟成の若いワインを濾過せず瓶詰めするため、深いうまみが生まれるのだ。

若々しさを保ちながら、 長い瓶熟成による熟成香も堪能できる。デキャンティングが必要。オリがもの凄く出る。収穫後5~6年くらいのものから売り出されるが、飲み頃になるには20~30年はかかる。アーモンド、チョコレートタルトなどと。



□Quinta do Panascal Vintage Port
ツヤのある、黒みがかったルビー色。まろやか。一瞬完熟した印象をあたえるが、フレッシュな洋なしを感じさせる。もちろん、渋みも感じさせる。フォンセカ社の最高級の単一畑・パナシュカルから摘みとられた葡萄からつくる。ヴィンテージ宣言の年のものより熟成が早いので、通たちのあいだで人気。

□Fonseca Vintage Port 1985 \18,000
ヴィンテージ宣言のポートワイン。パワーのあるワイン。アルコールの厚みがありながらも、それでいてクリーン。甘さと、ボリュームに圧倒。

♪ ショパンのピアノ協奏曲 ♪

第1番ホ短調と、第2番ヘ短調の2曲がある。ショパンには管弦楽法の未熟さがよくいわれるが、2曲とも、そのような欠点を補ってあまりあるほどの天才的な閃きに満ちた若き日の記念碑的作品。

1965年のショパン国際コンクールに優勝したのが、アルゲリッチ。ピアノ協奏曲第1番。完成度が高い。そのとき、かの女は26歳。若々しい魅力にあふれるピアノを聴かせてくれる。テクニックは申し分ない。

流れるようなフレーズや、リズムの持つスピード感は、天性のもの。開始から、グイグイと引き込まれ、圧倒されて、一気に最後まで聴き終えてしまう。そのエネルギッシュさ、推進力の強さは鮮烈。アバドの伴奏も、お見事。美しく鳴らすというよりは、劇的な表現に徹し、かの女のアプローチをサポートしている。

アルゲリッチ(p)、アバド指揮/ロンドン交響楽団 (1968年録音)

トップへ戻る
タイトルとURLをコピーしました